「……ねえ。
あの、テーブルの上に置いてあった手紙、やっぱり本気なのかな ?」
「『冬になったら迎えに来ます』っていうの? まさか」
「でも、現にここの扉、閉まってるじゃない !」
「……」
「……」
そのまま、二人とも口をつぐんでしまう。
僕は目をつむり、
続いてこの広い庭いっぱいに雪が積もっている場面を想像し、
ついでに深紗がその庭のまん中で笑いながら僕に雪玉をぶつけてくる姿を想い、次に――
ため息をついた。
無理だ。
いくら倉庫に食料が残されているとはいえ、冬までには当分持ちそうにない。
無理だ。